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VLSIアーキテクチャ

科目
VLSIアーキテクチャ
区分
電子情報工学専攻
授業コード
42335
開講期
曜日・時限
秋 金/56
単位数
2単位
担当者名
中村 眞次
授業の概要
 最近の半導体集積システムはSOC(System on Chip)と呼ばれる如く多数のデジタル回路や多様なアナログ回路をシリコンチップ上に集積しシステムを構成している。本コースでは興味あるトピックスを選んで,小規模なシステムを実際のチップ上に実現することを試みる。本コースを履修するには「集積システム」を履修していることが望まれる。チップの試作製造及び評価が授業内容に含まれるため、授業開始前の夏休み中に設計作業を行う必要がある。
到達目標
以下の項目に従って、自分で回路を設計し評価できるようになる。
(1)試作に適する小規模な回路構成(アーキテクチャ)を決定する。
(2)実際のマスクレイアウト用CADをPC上で使用し試作製造に提出できる設計ファイルを完成する。またシミュレータで回路動作を検証する。
(3)試作製造されたチップを評価し動作を確認する。
(4)設計、検証、試作、評価にいたる全てを報告書にまとめ、授業で発表する。
授業計画
テーマ
内容
第1回目
授業の概要説明 春学期に開講される「集積システム」の最後の部分で説明された、実際の試作製造に関してより詳細な説明を行い、どのような点が最も問題となるか、クラス全体で議論する。設計プロジェクトが中心課題であることの徹底(各自がどのようなテーマで回路を設計するか、自分で興味がある分野より良く考えておくようにする)。
第2回目
CMOS 回路設計の復習 CMOS回路理論を復習し、特に設計の実際面での問題を拾って議論する。
第3回目
設計プロジェクトの流れと過去の設計事例 現在までに作られた設計事例をもとに、CAD上で、どのような形にまとめられて行くか、設計規模と作業時間等、どの時点でどのようなことが必要となるかを説明。例えば多くの設計事例では2名で2.2mm角のチップを共有し、独立した設計プロジェクトである場合もあるし、全体がまとまった1つのプロジェクトである場合もある、等の説明。
第4回目
具体的な設計テーマの決定 どのような設計プロジェクトとするか課題として各自作成し提出してもらったプロポーザルを検討し、実現性の高いものとする。
第5回目
部品の設計(1) CADを使い最下層の部品より設計し、設計ルールチェック等を適宜行い、またSPICEによる電気的特性チックもこのレベルより始める。授業では問題となった点を持ち寄ってもらい、全員で検討する。
第6回目
部品の設計(2) 基礎になる部品を標準セル化し、それらを組み合わせてより大きな部品を作る。適宜シミュレータによる検証を行う。
第7回目
配置配線 チップ上でどのような位置にどうまとめるべきかを決定し必要な配線を行う。
第8回目
フレーミングとグローバル配線電源、グランド、入出力等のパッドをどの位置に取るかを決めチップ全体の配線を行う。また、チップ完成時の評価方法を念頭にチェック用入出力の必要性を検討し、グローバル配線に追加する。
第9回目
最終検証と設計ファイルの完成全ての検証の後、試作製造所へ完成した設計ファイルを発送する。
第10回目
評価用外付け回路の検討プロジェクトの設計内容に従って、チップの外とのインターフェイスを考え必要な評価方法を検討する。
第11回目
評価ボードの作成試作内容によって、外から制御信号を入力したり、結果の信号をチップより取り出す必要が出てくる。場合によっては、簡単なマイコンを使用しプログラムによって制御信号を発生するのが有効である。各プロジェクトに従って評価ボードを作成する。
第12回目
評価実験(1)チップの試作製造は米国で試作製造サービスを行っているMOSISに発注する。約6~8週間後にパッケッジされた完成チップが送られてくる。そのチップの基本的なチェック、例えば電源とグランドが完全に独立しているか、入出力間での抵抗値、等のテストを行う。
第13回目
評価実験(2)評価ボードをつないで本格的な評価実験より結果をまとめる。
第14回目
プロジェクトの発表設計から評価まで全体を通した報告書を作成して、その報告書に基づいた発表を行う。
第15回目
まとめ全体を振り返って問題となった点、今後のプロジェクトにつなげられるような発展的課題等を議論する。

使用テキスト
「集積システム」授業で使用した資料、印刷教材、等に加え必要に応じてコピーにて配布する。
参考文献
"CMOS Circuit Design, Layout, and Simulation," R.J. Bajer, H.W. Li, and D. E. Boyce, IEEE Press
成績評価方法
プロジェクトの難易度 30%
プロジェクトの完成度(実際に試作回路が動作したかどうか)40%
報告書 20%
発表  10%

更新日:02/14/2007
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